1 はじめに
「うる星やつら」が再アニメ化するそうです。
高校生の頃,好きなマンガでした。
昭和のマンガです。
今うけるのかな。
今回は,「うる星やつら」の思い出を話します。
一部ネタバレがあります。
2 「ビューティフル・ドリーマー」
コミックも途中まで買っていました。
サンデーも購読していました。
アニメは,帰宅時刻の関係で見られませんでした。
というわけで,マンガ中心の思い出ですが,一番印象に残っているのはマンガではありません。
映画「ビューティフル・ドリーマー」です。
この映画は,受験勉強の最中に息抜きに見に行ったと思います。
そのためかよく覚えています。
同時上映は,吉川晃司の「すかんぴんウォーク」でした。
こちらは,飽きてしまって最後まで見なかったと思います。
海を泳いで上京した吉川が港に上がるところから始まる「おバカ映画」でした。
まあ,最後まで見なかった者が評価してはいけないとは思いますけど。
3 終わらない幸せな日々
「ビューティフル・ドリーマー」は,文化祭前日が延々と繰り返されるという映画です。
友引高校生はそれに気付きません。
楽しそうに準備に追われます。
あたるたちも模擬喫茶の準備をドタバタしながら続けます。
まあ,気付くのが担任の温泉先生だったりするのです。
温泉先生は,めんどうな行事を早く終えたかったのでしょう。
彼にとっては仕事ですからね。
で,これがラムの夢だったりします。
日常を繰り返すようにした犯人はラムの夢をかなえただけだったんですね。
当時は,おもしろい発想だなあと感心しました。
私も,高校生活を終え大学受験を迎えようとしていました。
この生活がずっと続けばと思わないことはなかったからです。
まあ,男子校だったので,そんなに楽しくはなかったんですけど。
でも,ラムの夢ってあたるとの新婚生活じゃなかったというのも新しい認識でした。
次々ライバルが現われ,まあそのライバルにあたるは次々ふられるんですけど,ドタバタドタバタしながらあたるを追いかける日常が続いてほしかったなんて意外でした。
でも,みんなと楽しく過ごしたいってのは,ある種の夢ではあります。
ラムじゃなくて映画を見ている観客の夢だったのかもしれません。
4 夢の終わり
映画では,登場人物が結託して,この終わらない日常を終わらせるために奔走します。
そして,みんなの力で日常に帰って大団円という筋になっていました。
しかし,今になって考えると,その終わらない日常にとどまった方が幸せだったのかもしれません。
あの温泉先生でさえも,もどった日常が幸せとは限らないでしょうし。
それは異常で尋常な生き方ではないでしょう。
でも,自分が登場人物だったら,そこにとどまってみたいと思うのです。
5 最後に
この映画は原作者には不評と聞いています。
理由は,あたるとラムの関係の描き方とか。
まあでも,一観客としては,そこはどうでもいいです。
どうせあたるはすぐに気が変わるのだろうしね。
あの犯人に言ったセリフだっていつまで本気か分からないし。
それに,そもそも本気で言ったとも限らないし。
一観客がおもしろかったのは,終わらない日常という題材でした。
そこに居たいと切に思いました。
今現在でも,そういう時空に身を置きたいと思っています。